研究課題/領域番号 |
17650170
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
別府 英博 (別府 秀彦) 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 助教授 (30142582)
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研究分担者 |
園田 茂 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10197022)
松井 太衛 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (90183946)
林 宣宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (80267955)
尾崎 清香 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 技術員 (00387680)
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キーワード | プロテオーム / プロテオミクス / 2次元電気泳動 / キャピラリー電気泳動 / ELISA法 / 回復期リハビリテーション / リハビリ運動訓練 / タンパク発現プロファイリング |
研究概要 |
申請者らは、リハビリテーション(以下、リハと略す)患者に有用な指標を微量採血により得ることを最終目的としている。脳血管障害からの回復過程、特に運動麻痺との関連や、廃用症候群に至った障害高齢者の筋力などとの関連に着目し、入院直後および退院直前の血清蛋白成分の同定を行う研究計画を立てた。17年度は、1)脳血管障害による片麻痺患者において麻痺の回復程度およびADL評価法FIMを用いた層別化により採血計画を立てた。2)採血された血漿蛋白成分を用い、特異的抗体を使ったELISA法、2D-PAGE、キャピラリー電気泳動を行いサイトカイン、微量蛋白の存在有無を観察した。3)2D-PAGEでは、タンパクマップから得られたスポットをMALDI-TOF/MSによりペプチド解析を行った。またN末端アミノ酸シークエンスを進め構造アミノ酸配列の解析を行った。4)ELISA法による血清の分析として、蛋白同化ホルモン投与リハ訓練者の血清、非リハ訓練患者の血清を用いて血管増殖因子、インスリン様成長因子などを測定した。その結果1)2D-PAGEやキャピラリー電気泳動(CE)において、より多くの微量タンパクスポットを得るために、AlbuminおよびIgGを除去処理した血清試料を用いることが有用であった。2)SYPRO Ruby染色を行うことで、検出感度が増し、タンパクスポットの観察においてパソコンで画像を色調補正し重ねる方法を確立した。3)CEによる血清タンパク分画法は、微量検体量(10nL)で、従来のセルロース・アセテート膜よりも多くの分画情報が得られた。4)サイトカインの測定において、VEGF、IGFなどに他科患者と差が認められた。5)切出したタンパクスポットの質量分析やアミノ酸解析の結果に、特異的な成分は今回見いだされなかった。 以上の試験結果をまとめ、さらに疾患と相関する特定蛋白成分を見つけ出す。さらに廃用指標など臨床的効果判定手段に結びつけたい(これらは17年度において学会発表を行い、現在論文作成中である)
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