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2006 年度 実績報告書

廃用性筋萎縮における前運動負荷の予防効果に対する細胞内シグナリングの解析

研究課題

研究課題/領域番号 17650171
研究機関姫路獨協大学

研究代表者

藤野 英己  姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (20278998)

研究分担者 上月 久治  姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (20175326)
武田 功  姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (00163402)
キーワードリハビリテーション / プロテオーム / シグナル伝達 / 骨格筋 / 運動 / ユビキチン / プロテアーゼ / プレコンディショニング運動
研究概要

筋萎縮は筋タンパク質の分解系活性が上昇することで惹起される.筋タンパク質の分解系にはリソソーム系,カルパイン系,及びユビキチン-プロテアソーム系の3経路が関与することが知られている.一方,運動は筋萎縮予防に有効な手段であることは知られているが,筋タンパク質の分解系活性への影響については不明確である.また,先行研究でプレコンディショニング運動(Pre-Ex)がラット尾部懸垂中の筋原線維タンパク質の減少を減衰させることを検証したが,その制御機構については検証できなかった.本研究ではPre-Exが筋タンパク質の減少を抑制する機構を明らかにするために,タンパク質の分解系の3経路に関与するカテプシンL,カルパイン3,及びユビキチンリガーゼ(E3),さらにタンパク質分解のトリガーや筋細胞のアポトーシスに関与するカスパーゼ3,また,タンパク質の品質管理に関与する熱ストレスタンパク質(HSP)72の各mRNAを測定して,Pre-Exの効果について網羅的解析を行った.
筋原線維タンパク質量は萎縮筋で有意に減少したが,Pre-Exでは筋原線維タンパク質量の減少を減衰させた.2週間の尾部懸垂によりカテプシンL,カルパイン3,及びE3は有意に増加を示したが,Pre-Exでは変化を示さなかった.一方,HSP72m RNAは萎縮筋で有意に低下したが,Pre-Exでは変化を示さなかった.カスパーゼ3のmRNAは3群間に差はなかった.2週間の実験期間内でラットヒラメ筋の筋原線維タンパク質量の減少を予防できた.この制御機構として,タンパク質分解系であるカテプシンL,カルパイン3,及びユビキチンリガーゼの活性化を抑制していることが検証できた.また,タンパク質の分子シャペロン作用をもつHSP72の減少を減衰することができた.これらの結果から尾部懸垂前の運動は筋タンパク質分解系の活性化を抑制でき,廃用性萎縮の進行を予防できることを示唆した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 尾部懸垂前の運動が廃用性萎縮筋のユビキチン-フプロテアソーム 系に及ぼす抑制効果2006

    • 著者名/発表者名
      藤野英己, 上月久治, 武田 功, 田崎洋光, 近藤浩代, 石田寅夫, 梶谷文彦
    • 雑誌名

      理学療法学 33

      ページ: 76-81

  • [雑誌論文] 尾部懸垂前の温熱負荷が廃用性萎縮筋のミオシン重鎖アイソフォームに及ぼす影響2006

    • 著者名/発表者名
      藤野英己, 上月久治, 武田 功
    • 雑誌名

      柔道整復・接骨医学 15

      ページ: 29-37

  • [図書] 解剖生理学 : 生命活動のシナリオを学ぶ2006

    • 著者名/発表者名
      葛谷恒彦 編集, 藤野英己, 上月久治, 西田昌司, 北川章, 竹中優, 広田孝子, 安藤正人, 内藤道孝, 和田佳郎, 重川宗一, 他2名
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      八千代出版
  • [図書] 理学療法研究法 2版2006

    • 著者名/発表者名
      奈良勲 監修, 内山靖 編集, 藤野英己, 岩月宏泰, 塩見泰蔵, 臼田滋, 金子誠喜, 久保晃, 平岡浩一, 佐藤秀紀, 古名丈人, 対馬栄輝, 他15名
    • 総ページ数
      287
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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