研究課題/領域番号 |
17650178
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石川 国広 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (10212838)
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研究分担者 |
高見 和至 神戸大学, 大学院・人間発達環境学研究科, 准教授 (50236353)
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キーワード | 被虐待経験 / 児童養護施設児 / アウトドア体験プログラム / 百名山登山 / プロジェクトアドベンチャー / メンタルヘルス / 自己成長性 / 活動体験の自己評価 |
研究概要 |
【目的】夏休みに実施されたA児童養護施設の「百名山登山」が、被虐待経験児を含む中学生男子参加者の心理的側面に及ぼす影響を検討し、アウトドア体験療法プログラムの評価を行うことである。 【プログラム】百名山登山の概要は、海岸をスタートして自然豊かな田舎道や地方都市を経て日本百名山に登り、スタート地点とは異なる海岸を目指す活動であり、テント泊を基本としながら2週間かけて約320〜340kmをザックを背負って歩き通すものであった。1グループの構成は、児童8名・スタッフ2名であり、16名の児童が2班に分かれて別々のルートに挑んだ。活動初日には、チーム作りを意図したプロジェクトアドベンチャー(PA)の手法による体験学習を実施した。 【方法】メンタルヘルスと自己成長性ついて、プリ・ポストテストデザインで計4回データを収集した。また、百名山登山終了後に活動体験の自己評価を求めた。 【結果と考察】まず、プログラム前後でのデータの変化について述べる。メンタルヘルスに関しては、ストレス度と生きがい度の2因子のうち、ストレス度(特に心理的、社会的ストレス)を減少させたが、生きがい度は低下する傾向があった。また、自己成長性に関しては低下する傾向が見られ、達成動機、努力主義、自信と自己受容、他者のまなざしの意識の4因子全てで低下が見られた。背景としては、2班とも予定ルートを踏破できなかった点が影響しているものと考えられる。次に活動体験の自己評価は、組織キャンプ体験における標準得点と比べると全般的に得点が低く、自然との触れあい体験以外の4因子(達成体験、他者協力体験、自己開示体験、自己注目体験)で低得点であった。この点については、一方のグループの得点の低さが全体に影響を及ぼしていた。登山前に実施したPAプログラムについては、参加者・施設指導員ともに概ね好評であったが、メインプログラムとの連動性に課題を残した。
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