研究課題/領域番号 |
17650182
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川初 清典 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (80026822)
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研究分担者 |
清水 孝一 北海道大学, 大学院・情報料学研究科, 教授 (30125322)
下岡 聡行 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (50196549)
上杉 尹宏 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (60285559)
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キーワード | スキージャンプ / 気流可視化 / 空気力 / 体幹迎角 / 剥離領域 / テイクオフ動作 / 動的気流乱れ / 気流分析 |
研究概要 |
スキージャンプでは空気力学的な分析が重要であるが未だ気流可視化や動作中の力学的計測値は報告されていない。本研究では先ず気流可視化を風洞を用い煙注入流脈法によって行った。ジャンパー模型を製作し、体幹迎角を変化させて気流の画像記録を得た。画像記録では模型上方から背面部の中央矢状断面にスリット光を照射した。空気力計測では力覚センサにより、模型に作用する空気力を記録し揚力面積と抗力面積を算出した。先ず、静止姿勢における気流計測ではジャンパーの後頭部、背面部、臀部で剥離領域が観察された。この領域は体幹迎角の増加に伴って拡大し、20度以下で小さく、30度以上では増加の度合が高かった。ワールド杯戦の実競技を動作分析した結果、優勝した選手で約20度、高成績の選手は殆ど30度以下の体幹迎角であり、本研究の気流計測結果と共通した。更に、モデルの膝と腰を可動関節とし弾性係数34gf/mmのスプリングを組み込んでテイクオフ動作可能にして気流と空気力の計測をした。モデル足底部にスキー板を取り付け、足関節角度を実ジャンプ競技の離床時の平均姿勢である50度に固定した。体幹迎角、膝、腰関節角度と動作速度を実ジャンプ動作と比較し、各々同様であることを確認した。先の静止姿勢における観察結果に較べ、背面部の剥離領域が小さいこと、またその領域が動作に伴い臀部方向へ移動していることが観察された。また、この動作に伴い、抗力に較べて揚力が大きな変化を示す結果が得られた。気流分布の変化所見と合わせ考えて、背面部での動的気流乱れが揚力の変動の要因と判断された。
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