研究課題/領域番号 |
17650187
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西平 賀昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20156095)
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研究分担者 |
八田 有洋 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20312837)
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キーワード | 運動準備課題 / 注意関連電位 / P300電位 / 反応時間 / N140電位 / 体性感覚情報 / 早期感覚情報処理系 |
研究概要 |
本研究においてはいくつかの運動及び運動準備課題を設定し、その期間中の脳内の早期感覚情報処理過程を反映しているとされている注意関連電位(ミスマッチ電位、処理陰性電位)がどのように変容するかを調べ、脳内の早期感覚情報処理系が運動パフォーマンスにどのように関与しているかを明らかにすることである。その結果、無逸脱条件と小逸脱条件間で有意な反応時間の短縮が認められた。注意関連電位出現区間(S1呈示後100msec〜200msec)では、無逸脱条件では陰性の変動が確認できなかったが、小逸脱条件、大逸脱条件いずれの条件おいても標的刺激に対するP300電位の出現が確認できた。振幅の大きさはすべての導出部位において無逸脱条件、小逸脱条件、大逸脱条件の順に増大した。P300電位の潜時は無逸脱条件、小逸脱条件、大逸脱条件の順に短縮した。これは反応時間の結果と類似の傾向であった。以上のことから刺激が連続呈示される状況下では、S1の逸脱により生じた処理過程が後続刺激の処理過程に及ぼすことが確認された。 体性感覚情報の処理については、N140電位潜時はコントロール時には刺激対側の側頭部優位に分布し、他の導出部位よりも潜時が短かった。N140電位の振幅は注意時に増大し、特に正中部において顕著であった。刺激間隔が長いときにはN140電位への注意効果は大きい。以上のことから選択的注意によるN140振幅の増大は内因性成分の重畳によるものと考えられる。また刺激間隔が長い時には注意痕跡を維持しようとする機構が働くと推測される。
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