研究課題/領域番号 |
17650192
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
樋口 京一 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20173156)
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研究分担者 |
能勢 博 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40128715)
森 政之 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60273190)
佐野 健司 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (50205994)
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キーワード | 遺伝子 / 運動 / 健康長寿 / 医療・福祉 / 個体差 / SNP解析 / 生活習慣病 / 高齢者 |
研究概要 |
少子高齢化が加速する我が国において、健康寿命の延長とその結果としての医療費の削減が国家的重要課題である。松本市では平成9年より信州大学、医師会、企業との連携で「松本市熟年体育大学」をスタートさせ、高齢者への運動トレーニングを実施し健康増進に効果を挙げている。運動トレーニングの効果には大きな個体差が存在し遺伝的要因の解析の必要性が示唆されている。この例を見ない大規模な事業を基盤として、正確に把握した運動トレーニングの医学的、生理学的、行政的効果を遺伝学的に解析し、個人の体質に応じた効率的な健康増進、予防医療の実現を目指して、本年度は以下の研究を行った。 松本市熟年体育大学の参加者のうち、研究目的・方法の説明後に研究参加への同意を得られた469名を解析対象とした。インターバル速歩を主体とした6ヶ月間の運動処方適用前後での体重、体脂肪率、血圧、血糖値、血中コレステロール値、筋力、持久力を測定した。運動処方反応性遺伝子の候補として機能的に血圧、糖代謝、脂質代謝、骨代謝、エネルギー代謝、難聴、老化などに関与することが示唆されている86個の遺伝子を選定し、これらの遺伝子上の132個のsingle nucleotide polymorphisms(SNPs)に関してTaqManプローブ法により対象者の遺伝子型判定を開始した。すでにいくつかのSNPsでは、運動効率(最高血圧の低下程度等)との相関が認められた。今後、遺伝子型と上記の生活習慣病関連指標の測定値、およびこれらの運動処方開始前後での改善効果との相関を解析し、運動処方反応性遺伝子の同定を目指す。
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