研究概要 |
研究の目的 本研究では、メールを中心とした「通信講座」によってリラクセーション法の指導を行い、その効果を検討した。さらに自律訓練法習熟者を対象に、唾液中のクロモグラニンAを指標としてリラクセーション中の生理的変化を検討した。 研究1:通信講座によるリラクセーション法指導に関する研究 対象者:通信による講座に応募してきた者12名(すべて女性、35.08±7.32)。 方法:対象者には、メールを中心に1ヶ月間指導を行った。効果評価は精神健康度を測定するGHQ12項目版、特性不安を測定するSTAIを「講座受講前、受講後、3ヶ月後」の3回実施した。 結果:解析は3回ともデータの揃った10名のデータを反復測定分散分析により行った。その結果、GHQ,STAIともに受講後に有意に数値が低下し(GHQ:p<0.001、STAI:p<0.01)、3ヵ月後にも維持されていた。対象者は、指導中「手や脚の温感」「リラックス感」を報告しており、通信による指導でもリラクセーション法の習得はかのうであると思われた。 研究2:クロモグラニンAを指標としたリラクセーション法の心理生理的効果評価に関する研究 対象者:自律訓練法の習熟者12名(男性7名、女性5名、30.73±7.96)。 方法:対象者は環境ビデオの鑑賞・自律訓練法の実施をそれぞれ行い、データを比較した。 ビデオ鑑賞群:クロモグラニンAを安静30分後、ビデオ鑑賞(15分)後、安静45分後にそれぞれ採取した。 自律訓練法群:クロモグラニンAを安静30分後、自律訓練実施(15分)後、安静45分後の3回採取した。なお質問紙はPOMSおよびSTAI(状態不安)をビデオ鑑賞前後と自律訓練法実施前後に実施した。 結果:自律訓練法群は、不安感の減少と活気の上昇が認められ、技法実施中のリラクセーションが確認されたが、クロモグラニンAに関しては、両群に有意な差は認められなかった。
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