研究課題/領域番号 |
17650223
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
的場 輝佳 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10027196)
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研究分担者 |
清田 マキ 相模女子大学, 学芸学部, 助手 (10386899)
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キーワード | ポリフェノール / 野菜 / 抗酸化性 / 健康増進 / 機能性成分 / 季節変動 / ラジカル捕捉活性 / アスコルビン酸 |
研究概要 |
野菜類には、活性酸素・フリーラジカルの生成やその作用を抑制する機能性成分としてアスコルビン酸や各種のポリフェノール類が含まれており、これらの成分はガンや生活習慣病の発症を予防することが期待されている。近年、野菜は年間を通してほとんどの種類を購入することができるため、一般の消費者は野菜に対する季節感を消失している傾向にある。本研究では、野菜類に含まれる機能性成分の季節変動および日周変動を明らかにすることを目的とした。そこで、日常的に良く利用される13種類の野菜について、春、夏、秋、冬の4シーズンのラジカル捕捉活性を測定した。また、ラジカル捕捉活性に寄与する成分として、アスコルビン酸量と総ポリフェノール量の測定を行い、季節の影響と野菜の旬との関連性を検討した。その結果、野菜に含まれるラジカル捕捉活性、アスコルビン酸量、総ポリフェノール量の季節変動はみられたが、旬との関連性はキャベツ、カボチャ、トマト、ホウレンソウ、タマネギの一部の野菜のみでみられた。今回測定した野菜は、一年を通して比較的よく利用するものである。本来、旬のある野莱が一年中市場に出回っているということは、時期により産地や品種を変えたり、ビニールハウスなどの施設を利用して、季節の影響を受けない野菜栽培が工夫されているからである。また野菜によっては、収穫のタイミングや収穫後の保存状況、輸送システムによっても成分の変化がおこることが考えられた。このように、様々な要因が絡んで野菜の機能性成分の季節変動は起こるため、必ずしも旬だけが変動の要因ではないことが示唆された。一方、コマツナを同条件で栽培した場合、ラジカル捕捉活性、アスコルビン酸量、総ポリフェノール量は夏に高く、秋にかけて含量が低下することが分かり、日射量が関与していることが明らかになった。
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