研究概要 |
はじめに、設備備品として購入したスーパーバイポーラ電源と現有の信号発生器による交流電源(周波数可変で2000KHzまで)を構成し、交流電圧計、周波数カウンター、制御コンピュータなどを加えて通電加熱用の試料作成装置をたちあげた。このとき、購入したコンピュータおよびソフトウエアを利用して、できるだけコンピュータによるコントロールが出来る様にした。通電加熱の電流、電圧、周波数,試料濃度を変数として試料を作成することを仮定して、これらパラメータを広くふってみて試料の出来具合を調べた。熱変成によってゲル化する試料を中心に想定しているが、天然卵白のみならず、アルブミンや重水と軽水を各種の濃度で混ぜ合わせた試料も調整できることを確認した。サンプルセルの設計についても、最適の電流と電圧値や、場所によってできるだけ均一な試料が得られるによる条件を求めた。変性のコントロール試料として、湯浴加熱法による試料についても条件を求めた。 できあがった試料のマクロな物性を特徴付ける意味で,力学的性質(動的粘弾性)測定などにも取りかかることができた。さらに、次年度予定の構造研究のための実験として、X線小角散乱の予備実験を行った。また、高輝度高強度のX線源であるシンクロトロン光を使った小角X線散乱装置を九州シンクロトロン光研究センターで建設するプロジェクトに参加しており、来年度は測定モードになる予定で期待がもたれる。
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