研究課題/領域番号 |
17650262
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
宮本 節子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60305688)
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研究分担者 |
木下 徹 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (90177890)
柳 善和 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40220181)
今井 裕之 兵庫教育大学, 言語系教育講座, 助教授 (80247759)
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 助教授 (50387479)
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キーワード | 第2言語習得 / 映像 / マルチメディア / 視線行動 / 学習履歴 |
研究概要 |
本研究では、第1年度として、以下を実験目的とした。1)アイマークレコーダー(視線行動)自体の特質と精度を調べ、光トポグラフィ実験装置(脳血流量)との連動から発生する問題点を検討する。2)学習履歴、注視点軌跡、読解後インタビューから、学習者の読解プロセスを調べる。3)注視点軌跡データの分析手法を検討する。 パイロット実験からは、アイマークレコーダーの精度が極めて高く、ワードレベルで注視点分析が可能であるものの、光トポグラフィとの同期がとりにくいことが明らかになった。タイムスタンプ他、周辺機器の利用により同期をとる方法を開発することが課題とわかった。 マルチメディア教材を用いて、英語力(GTELP)とリコールテスト(自由記述)の関係を調べた実験(英語専攻の大学一年生39人)では、リコールとGTELP totalとの間に比較的強い相関が、リコールとGTELP readingとの間に弱い相関が現れ、マルチメディアを用いた読解は通常のリーディングとは異なることが示唆された。インタビューと学習履歴からは、1)英語力が高い学習者では、「動画・音声を利用しない」「音声を聞きながらテキストを読む」といったモノメディア的な読解方略が用いられていること、2)英語力が低く、リコールも弱い学習者では、「動画再生中に語彙注釈を読む」「テキスト読解中に動画の再生・中止をする」といったマルチモーダルな読解方略が、不規則に、高頻度で現れることがわかった。 視線行動計測実験では、リコールが弱い学習者の場合、動画、テキスト、語彙注釈の間で視線が移動・錯綜する現象がみられた。一方、リコールが優れている学習者の場合、テキスト行を水平にリズミカルに移動する現象がみられた。第2年度は、被験者数を増やし、視線行動の一般化を試みる。また、視線行動と脳血流量の関係をストラテジーの観点から分析する。
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