研究分担者 |
横田 勝 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (10029225)
野瀬 正照 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (70269570)
三船 温尚 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (20181969)
武笠 朗 実践女子大学, 文学部, 教授 (30219844)
清水 克朗 富山大学, 芸術文化学部, 助教授 (70235646)
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研究概要 |
円福寺大仏(銚子、1711年)、浅草寺二尊仏(1687年)、品川寺地蔵(1708年)、西光院金仏(1699年)など7体を先ず調査した。その中から瀧泉寺大日如来(1683年)、吉祥寺大仏(1722年)を三次元レーザー測量し詳細を計測した。瀧泉寺大日如来は総高3.69m、像高2.64m、蓮台高1.05m、仏像表面積9.49m^2、蓮台表面積8.84m^2で、吉祥寺大仏は総高4.17m、像高2.91m、蓮台高1.26m、仏像表面積21.68m^2、蓮台表面積14.84m^2であった。平均鋳造肉厚を9mmと想定すると瀧泉寺大日如来は総重量1,468.15kg(仏像760.15kg、蓮台708.00kg)、吉祥寺大仏は総重量2,925.25kg(仏像1,736.57kg、蓮台1,188.68kg)となり、平均厚さ12mmと想定すると瀧泉寺大日如来は総重量1,957.54kg(仏像1,013.53kg、蓮台944.01kg)、吉祥寺大仏は総重量3,900.33kg(仏像2,315.42kg、蓮台1,584.91kg)となる。浅草寺二尊仏、西光院金仏、瀧泉寺大日如来は江戸大仏のなかでも初期に造られたもので形状が共通し原型を木彫で造ったと思われ、上体の直線性や肩から腕にかけて硬質な印象を与える。吉祥寺大仏、円福寺大仏、品川寺地蔵は中期のもので仏像体部原型を鋳型土で造ったと考えられる。前者は衣文が平滑面を彫り込んで作った形状であるのに対し、後者は平滑面の上に衣文の膨らみを盛り付けた形状であり材質の特徴が表れている。瀧泉寺大日如来と吉祥寺大仏は複数回に分けた分鋳技法で造り蓮台の上に置いている。これらは他の江戸大仏と同じ方法であるが吉祥寺大仏の蓮台から前に垂れた他にはない特徴的な衣は乗せた後に鋳接で接いだものと思われる。
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