研究課題/領域番号 |
17651066
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野呂 篤史 名古屋大学, 大学院・工学研究科・研究員21世紀COE (90377896)
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研究分担者 |
高野 敦志 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00236241)
松下 裕秀 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60157302)
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キーワード | ブロック共重合体 / 超分子 / 水素結合 / ブロック型超分子 / ヌクレオチド / ヌクレオチド末端ポリマー |
研究概要 |
複合ポリマーの研究が注目を浴びて久しいが、その一つとして異種ポリマーを共有結合でつないだ「ブロック共重合体」に関する研究が挙げられる。一方、近年では非共有結合(たとえば水素結合)を用いて「超分子」を形成させる研究に大きな関心が寄せられている。そこで異種ポリマー末端間を水素結合で結びつけることができれば超分子の性質を有したブロック共重合体(ブロック型超分子)が調製できると考えられる。ゆえにブロック型超分子調製の第一歩として、会合能の高いヌクレオチド末端を有するポリマーの簡便な合成法の開発を行った。さらには末端に複数のヌクレオチドを導入し、そのポリマーの凝集構造観察を行った。 具体的には最も実用化されている人工DNA合成法Phosphoramidite法を応用し、分子量1万程度の単分散なヒドロキシル基末端ポリスチレンを原料として末端にThymidineが5個ついたポリマーを合成した。これについて溶媒キャストを行い、透過型電子顕微鏡と小角X線散乱を用いて構造観察を行った。その結果体積分率が0.21程度で11.4nmのドメイン面間隔をもったシリンダー構造を形成していることが確認された。このように人工DNA合成法を応用し、非常に有用なヌクレオチド末端ポリマー合成法の開発に成功した。 引き続き、上記において開発した合成手法を用いで、異種ホモポリマー末端に相補的なヌクレオチド(チミジンとデオキシアデノシン)を導入し、それらをブレンドすることによってブロック型超分子の調製とそのナノ構造形成に成功した。さらに水素結合阻害因子を加えることでナノ構造形成を阻害することもできた。これらの成果をまとめて論文を投稿した。
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