研究概要 |
1)直径が30μm以下の大きさのマイクロ・ナノバブル発生装置を開発することができた. 2)蒸留水のpHは,マイクロバブルのバブリングにより減少するが,水道水のpHはバブリングすることにより徐々に上昇した.これは水道水中に含まれていたCO_2が大気中へ逃散してpHが上昇したものと思われる.今回,バブリング時間を8時間まで行ったところ,27dm^3の水道水では5時間程度まではバブリングすることでpHが上昇したが,その後は一定の値を示した.水道水をバブリングすることで表面張力は低下現象を示し,温度を数度上げた状態に似た水の性質を示した.この表面張力の減少から考えられるのは,水分子のクラスターが小さくなったことである.このことを明らかにするためバブリングした水道水の粘度を測定したところ,バブリング時間が長ければ長いほど水の相対粘度が減少していることを示した.これらからマイクロバブルでバブリングすることにより水の水素結合を切断し,水のクラスターを小さくすることができることを示すことができた. マイクロバブルでバブリングした水道水の電気伝導率を測定した結果,40℃の水道水の電気伝導率と1時間バブリングした水道水と同程度の値を示した.3時間のバブリングでは50℃以上の電気伝導率を示した.これらのことによりバブリングによって水の中に存在する化合物がイオン化していることを明らかにした. 3)マイクロバブルの洗浄効果について,そのメカニズムを解明して明らかにした. 4)アルコールとしてエタノールを用い,マイクロバブルの挙動を観察したところ,アルコール水溶液では水とかなり異なり,寿命が長くなり,バブルが機能性を持つことを見出した. 5)成果を水環境技術研究会,日本高専学会年会で発表した.
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