研究概要 |
研究初年度である平成17年度は以下の3つの項目に関して研究を実施した. 1.がれき形成シミュレーションによるがれき形態の定量的分析手法の検討 2.がれきの画像計測のためのスライディングカメラ法の開発 3.がれきの認識と操作のための仮想現実感技術を用いたユーザインタフェースの開発 それぞれの研究成果に関して以下に順に説明をしていく. まず1に関しては,がれきの山の持つ形態的特徴を現すパラメータを検討するために,直方体の形状に限定した簡易がれき形成シミュレータを開発し,それを用いて,(i)3つのがれき形状(レンガ型,木材柱型,壁型),(ii)がれきの配向性(向きに関するランダムさ),(iii)がれきの面積/体積比,といった要因と,形成されるがれきの空間充填率(ある空間をどのくらいの割合でがれき要素が占有しているか)との関係を分析する手法を検討した. 次に2に関しては,大きな体積を持つ屋外のがれきを簡便に計測して3次元モデルを構築するための機材として,CCDカメラと1軸リニアロボットを組み合わせたスライディングカメラシステムを開発し,それを用いてEpipolar Plane Image(EPI)を元に特徴点対応と距離計測を行う手法を開発し,小規模な模擬がれきに適用して有効性を確認した. 最後に,3に関しては複雑に空間的に配置されているがれきを外部と内部から観察し,理解するための手段として,本研究者が開発した裸眼立体視と触力覚を統合したユーザインタフェースXEONAをがれきに適用するためのモジュールを開発した.これによって,がれきの内部構造の理解や,レスキューロボットを模擬した球体を瓦礫内に入れて移動させる対話的シミュレーションを実現することができた.
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