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2005 年度 実績報告書

制度生態系ダイナミクスの数理モデル構築と進化主義的制度設計に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17651088
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

橋本 敬  北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (90313709)

研究分担者 西部 忠  北海道大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (50261269)
キーワード制度形成 / 制度変化 / ルールダイナミクス / ルール / メタルール / 制度生態系 / エージェントモデル / 進化経済学
研究概要

ルールには,人の行動や認知に関する定型・習慣のような行動ルールや,そうした人の行動や認知を社会的に規定する慣習・法のような社会ルールだけでなく,こうした行動ルールや社会ルールの存在する範囲をより上位レベルから制約するメタルールがある。制度とはこのようなルール/メタルールの体系として把握できる。社会には影響力と安定性が異なる様々な制度が複合的に存在する。本研究では,ルール間相互作用と人々の認知・行動の変化を通じて,複数の制度が生成・変化する動的様態を「制度生態系」と捉え,制度形成・変化のルールダイナミクスを数理モデル構築と調査により理解することを目的とする。
今年度は,事実が社会的に,すなわち主体集団の行動によって決まる場合と,主体達の行動とは関係なく決まる場合が複合している状況における制度形成を調べるエージェントモデルを構築した。このモデルでは,ヴェブレンの制度の定義にのっとり,主体の意思決定方法が斉一的であるとき制度が成立したと見なす。この研究では,情報提供者がしばしば解釈エラーを起こす,情報受容者があまり解釈エラーを起こさない,事実が社会的に決まる,という3つの条件が成り立つ場合に,制度が形成されやすいことがわかった。
また,「制度生態系」の概念を明確にするために,ハイエク,青木,ボウルズ,フリートウッド,ヴェブレン,ノース,郡司らの制度概念を検討し,複数制度の複合的関係のあり方を議論した。青木ら比較制度分析学派は,制度的補完性を重視し,複数の制度が相互補完的であるので制度変化はまれであると考える。制度生態系では,複数の制度が代替的・補完的に相互作用するからこそ,一つの制度変化が別の制度変化へ波及することがある。最初の制度変化については,主体の持つ内部ダイナミクス,ミクロマクロ・ループ,競合的相互作用が重要であることを,別のエージェントシミュレーションにより示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Multi-Agent-Based Simulation for Formation of Institutions on Socially Constructed Facts2005

    • 著者名/発表者名
      Takashi Hashimoto, Susumu Egashira
    • 雑誌名

      Advances in Artificial Life

      ページ: 675-684

  • [雑誌論文] 社会構造のダイナミクスに対する内部ダイナミクスとミクロマクロ・ループの効果2005

    • 著者名/発表者名
      佐藤尚, 橋本敬
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用 46

      ページ: 81-92

  • [図書] ハイエクのポリティカル・エコノミー(訳・一部)2006

    • 著者名/発表者名
      西部忠
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      法政大学出版局
  • [図書] 進化経済学ハンドブック(一部)2006

    • 著者名/発表者名
      橋本敬
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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