研究概要 |
本研究では,社会システム工学研究で長年に渡って蓄積された空間解析法を,幅広く一般社会で応用するためのソフトウェアツールボックスを開発し,これを普及させる仕組みを提案することを目的として進めている。これまで社会システム工学では,計算幾何学やグラフ理論などを礎として,点パターン分析法などの空間解析法の研究が蓄積されてきた。しかし,そうした蓄積が広く社会全般で有効に利用されているとは言い難い。その理由は,研究した解析法を実践するためのソフトウェアツールがほとんど提供されてこなかったことにある。そこで本研究では,従来の空間解析研究の蓄積を体系的にまとめ,これをソフトウェアツールとして実装・提供することで社会的普及を促すことを研究の目的としている。 平成18年度は,1)空間解析ソフトウェアツールボックス開発,2)ソフトウェア提供と管理,の二つに重点をおいて研究を進めてきた。具体的には以下に述べる通りである。 1)空間解析ソフトウェアツールボックス開発 地理情報システムソフトウェアとして世界的に普及しているESRI社ArcGISを基盤とし,空間解析を行うためのツール部分を開発した。ArcGISの操作性の良さを重視したより良いツールが開発できた。 2)ソフトウェア提供と管理 ウェブを介してソフトウェアを提供している。すでに国内外の研究者から広く利用希望があり,好評である。ソフトウェア提供にあわせて,本ツールの利用を助けるためのチュートリアルや解説書も提供できるよう,その整備に着手した。
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