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2006 年度 実績報告書

味覚修飾タンパク質クルクリンの機能発現メカニズムの解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 17651126
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

加藤 晃一  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20211849)

研究分担者 山口 芳樹  名古屋市立大学, 講師 (90323451)
栗本 英治  名古屋市立大学, 助手 (90234575)
キーワードクルクリン / 味覚修飾 / 蛋白質 / バイオテクノロジー / 構造生物学
研究概要

クルクリンは甘味タンパク質であると同時に酸味を甘く感じさせる味覚修飾活性を有するタンパク質であり、相同性の高い2つのサブユニット(クルクリン1およびクルクリン2)からなるヘテロダイマーとして活性を発現する。ヘテロダイマーとクルクリン1ホモダイマーの立体構造を比較した結果、主鎖構造の違いはC末端付近のループのみであり、それ以外の部分のr.m.s.d.は0.54Åと計算され、両者はほぼ同じ立体構造を形成していた。またNMRによる動的構造解析からC末端付近のループが高い運動生を有することが明らかとなった。
部位特異的変異を導入した変異型クルクリンを作製しその活性を評価した結果、変異により甘味活性および味覚修飾活性がほぼ消失するアミノ酸残基を見出した。この中にはC末端付近のループを形成する残基が含まれており、このループがクルクリンの活性発現に重要なことが明らかとなった。この他、主に甘味活性のみに影響する残基、あるいは味覚修飾活性のみに影響する残基が存在することが判明した。このうち、甘味活性発現に重要な残基をクルクリンの立体構造上に配置すると、それらの残基は分子上の一つの面に局在しており、この面が甘味活性発現に関与すると予想された。一方、甘味活性は保持しているが味覚修飾活性のみが消失するという活性変化をもたらすアミノ酸残基は甘味活生発現に関与する面には含まれていなかった。すなわち、クルクリンの甘味および味覚修飾活性がそれぞれ異なるファルマコフォアを介して発現することが明らかとなった。活性発現に重要と判明した残基が甘味受容体との相互作用部位に含まれるという制限を加味して、クルクリンと甘味受容体とのドッキングモデルを構築した。
以上の活性発現に関する構造情報は、クルクリンの甘味および味覚修飾活性発現メカニズムの解明において重要な知見を与えるものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 味覚修飾タンパク質クルクリンの構造・機能解析2006

    • 著者名/発表者名
      栗本英治
    • 雑誌名

      バイオサイエンスとインダストリー Vol.64・No.7

      ページ: 25-26

  • [雑誌論文] Structural basis for recognition of the non-classical MHC molecule HLA-G by the leukocyte Ig-like receptor B2 (LILRB2/LIR2/ILT4/CD85d)2006

    • 著者名/発表者名
      Shiroishi M.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103

      ページ: 16412-16417

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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