研究概要 |
社会関係資本,マイクロファイナンスおよびバングラデシュのジェンダ問題をレビューするとともに,エンパワーメント論のひとつである内発的発展論と社会関係資本の関係を整理し,公表した. また,現地調査をバングラデシュとフィリピンで展開した.バングラデシュでは首都ダッカ近郊のマニコンジュ地域からチャンドール村をフィールドとして選択し,そこに展開しているBRACをはじめとした非政府組織によるマイクロファイナンス活動とそれがもたらす社会関係資本の形成に関する調査に着手した(2006年1月). BRACなどの組織はすでに70年代から地域支援を始めているが,当初活発であったクレジット・プラスと呼ばれる人的資本形成の活動が90年代に中止されると,マイクロファイナンスによる社会関係資本の形成は停滞の傾向をみせていることが判明した.そこで,ドッキンモリック・パラを対象に全戸調査を行い,両者の関係を量的に捉える努力を始めている. フィリピンについては,水利用の組織における社会関係資本の有無の検証に向けた準備をすすめている.ルソン島南部の水田地帯において,古くから調査蓄積のあるナガ近郊の農村を対象に実態調査をおこなうための準備を整えた.
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