次の図書館において現地調査を行い、地方の西洋音楽文化に関する文献のデータの収集と、閲覧及び複写を行った:広島県立図書館、広島市立中央図書館、島根県立図書館、鳥取県立図書館、兵庫県立図書館、神戸市立中央図書館、大阪府立中之島図書館、大阪府立中央図書館、大阪市立中央図書館、京都府立総合資料館、彦根市立図書館、和歌山県立図書館、奈良県立図書情報館、静岡県立中央図書館、山梨県立図書館及び、名古屋芸術大学附属図書館、滋賀大学附属図書館等の大学図書館。特に注目したのは地方音楽史である。また、各府県における唱歌教育の展開に関する資料も積極的に収集した。愛知県図書館、岐阜県立図書館、富山県立図書館、福井県立図書館に関しては、インターネットによる文献の収集を行った。調査の際に留意したのは、1.西洋音楽に関する文献データを出来る限り網羅的に収集することと、2.地方における西洋音楽文化の様相が克明に記されている質の高い資料を見つけ出すことである。 併せて雑誌『音楽世界』、『音楽雑誌』、『音楽界』、『音楽之友』における地方音楽関連記事を収集した。特に『音楽世界』に関しては、地方の音楽に関する報告記事をもとに1930年代の日本における地方の西洋音楽文化に関する雑誌論文を執筆した(平成18年5月発行予定)。その他、盛岡市立図書館、上田公民館において、日本のレコード批評界の草分けで京都において批評活動を展開していた大沼魯夫に関する調査を行い、野村胡堂・あらえびす記念館において昭和期を代表するレコード批評家の一人であるあらえびすの蔵書調査を行った。
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