研究課題/領域番号 |
17652049
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
岡崎 眸 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (80223999)
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研究分担者 |
清田 淳子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, リサーチフェロー (30401582)
野々口 ちとせ お茶の水女子大学, 文教育学部, 講師 (30361819)
岡崎 敏雄 筑波大学, 人間社会科学研究科, 教授 (00194340)
原 瑞穂 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 研究員 (90452036)
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キーワード | 年少者日本語教育 / 言語少数派の子ども / 教科・母語・日本語相互育成学習モデル / 母語活用 / 教科学習 / 学習支援 / 先行学習 / 中学校 |
研究概要 |
日本語を母語としない児童生徒(以下「子ども」)は、日常生活用の日本語は短期間で習得できても、授業用の日本語の習得には長い時間を要する。そのため、教科学習に困難を来たし、進学や就職の途が大きく閉ざされることがある。本研究では、この問題に対して、子どもの母語に着目し、子どもの母語を活用することで、第一に、教科学習を促進することができるか、第二に、日本語の力を教科学習用の言語として伸ばすことができるか、という二つの課題を設定し、母語活用が教科学習の過程と結果に及ぼす影響を質的に探ることを目的とした。 具体的には、ある公立中学校に通う、中国語・スペイン語・ポルトガル語をそれぞれ母語とする子ども達に対し、学校教員と協働で『教科・母語・日本語相互育成学習モデル』(岡崎1997)に基づいた学習支援を行った。その際、授業場面の録画録音、参与観察を行い、平成17年度から平成19年度にかけて縦断的にデータを収集した。また、支援者や被支援者などに数回にわたるインタビューを行った。得られたデータは、研究チーム参加者がそれぞれの関心のもと分析し、多角的に相互育成学習の成果を検討した。平成19年度に得られた主な結果としては、子どもが母語での学習を通し学年相応の深い読みができている様子や、学習における対話を通し認知的な発達が促進されている様子、また、国語の専門以外の教員が学習支援を行う際の意識、地域の学習支援ボランティアが継続して支援に関わる際の意識等が描かれ、「教科・母語・日本語相互育成学習」が子ども達の学習や発達において肯定的な影響をもたらす可能性が示された。 *岡崎敏雄(1997)「教科・日本語・母語相互育成学習のねらい」『平成8年度外国人児童生徒指導資料母国語による学習のための教材』茨城県教育庁指導課,1-8
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