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2005 年度 実績報告書

外国人に対する医療支援に関するエスノグラフィー調査およびリソース開発

研究課題

研究課題/領域番号 17652053
研究機関大阪大学

研究代表者

大谷 晋也  大阪大学, 留学生センター, 助教授 (50294137)

研究分担者 埋橋 淑子  大阪大学, 留学生センター, 非常勤講師 (40402987)
スミス 朋子  大阪大学, 留学生センター, 非常勤講師 (50402988)
内藤 裕美  大阪大学, 留学生センター, 非常勤講師 (60402989)
楠木 理香  立命館大学, 言語教育センター, 外国語嘱託講師(日本語) (50411244)
キーワード医療支援 / 医療制度 / 外国人受診者 / 医療ボランティア / 地域ネットワーク / 医療通訳
研究概要

本年度は、外国人医療支援の現状を把握するために、神奈川県内のNPOや医療施設を訪問し、インタビュー調査と資料収集を行った。また、大阪府下のボランティア団体においては、運営委員会や講習会等にも参加して参与観察するとともに、実際の医療支援活動を務めるなどして調査・研究を行った。
以上を通して得られた知見を簡単にまとめると以下の通りである。
まず、外国人への医療支援において通訳が必要となる場面は、(1)病院に行きたい依頼者が医療機関を探し、確定する(2)病院に行って受付で問診表の記入等を行う(3)医師の診察を受ける(4)診察後に会計をすませる(5)薬局で薬をもらうの5つにおおまかに分けられる(外来診療の場合)。どの場面においても医療通訳の働きは重要であり、これまでのように(3)の場面だけを取り出して議論するのは現実的ではない。
次に、誰が医療通訳サービスを提供するかに関して、a.医療機関b.自治体c.NPOやボランティア団体d.いろいろな機関の組み合わせの4つが想定されるが、現実には、cのNPOやボランティア団体が主体になって活動しており、医療機関や自治体・個人等へ、支援や補助あるいは寄付を要請しながら悪戦苦闘しているのが現状である。医療が公共サービスの一部であると考えるなら、この状況は極めて異常であり、国や自治体・医療機関等が中心となって通訳制度を整備していくことが求められる。その際、保険制度や費用負担についても検討していく必要がある。
最後に、第1の点とも関連するが、通訳者の役割と通訳の方法についての議論を進めていくことが欠かせない。特に、通訳者の仕事の範囲や「中立性」については、医療「支援」という視点や多文化受容という側面をふまえながら再考していくことがきわめて重要であると考えられる。
なお、平成17年度の研究成果をふまえ、論文を1件執筆した(平成18年4月発行予定)。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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