1 内外のアラビア語、ヘブライ語およびアラブ、ユダヤ文化等に関する資料収集と分析:国内で出版されている語学教育に関する教材は大部分が初歩的レベルのものに限られ、文化や事情を織り込んだものはほとんど皆無であった。一方、海外(特に米国、英国)のものでは、中東との歴史的つながりがあるためか、初級レベルからイスラーム、ユダヤに関する文化的、歴史的側面を前面に押し出したテキスト類(DVD等のメディア教材を含む)が豊富であり、将来教材開発を行う際に有益である。(なお、欧米で出版されている教材類の選択に時間を要し、また入荷が遅れたものも少なくなかったため、詳細な分析は平成18年度に持ち越されることになった。) 2 中東の諸言語が第二、第三外国語(あるいは自由選択外国語)として教授されている他大学の調査:主としてインターネット上に公開されているシラバスによったが、使用教材や具体的な教授法については不明な点が多く、今後担当教員からの聴き取り調査が必要である。 3 ビデオ等の活用:中東に対する受講者の関心度は比較的高いが、高校の社会科教育が選択制になっているためか、歴史的、地理的な基礎知識が欠如している。これを補うため今年度は、アラブ、イスラームに関する平易な文を原語で講読する一方で、同地域に関連した内容のビデオ等を多く活用した。事後の聞き取り調査で、受講者の知識、関心が非常に高まったことを確認した。 4 文字習得時におけるワープロの活用:特殊な文字を使用する言語であるため、初歩の段階で文字の習得が常に障害となっているが、多言語ワープロを活用することで文宇習得に一定の効果が認められた。 5 留学生の活用:言語学習、当該地域の事情紹介等に当該地域からの留学生を活用することは、種々の理由から、今年度は見送ることとした。
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