本研究の第一の目的は、英語の授業において連想ツリー法による英作文演習を可能にするための道具を作ることである。ここでいう道具とは、コンピュータおよびネットワークを使った電子ノートブックである。連想ツリー法による英作文とは、一つの英文から複数の文を連想し、それぞれにまた連想される複数の文をツリー状に連ねていくことである。これまでの紙のノートでは、浅い階層のツリーしか書くことができないため、この方法による実践は不可能であった。本研究では、これを解決するためにコンピュータを利用する。ワープロソフトのアウトライン機能のように、ほとんど無制限な分岐および階層のツリー展開を可能にするソフトウェアがあればそれが可能になる。 本年度は、コンピュータ上で連想ツリー法による英作文演習を可能にするアプリケーションソフトウェアの作成を行なった。本校の情報処理センターにおける既存環境では、マイクロソフト社のWindowsによるネットワークおよび同社のOfficeシリーズによる学習環境が構築されているので、これらが有効に利用できるよう、開発環境においても同様のソフトウェア群を利用した。本研究では、システムを複雑にしないため、上述のMicrosoft Officeの基本機能を利用し、これに必要なスクリプト、ActiveX等のコンポーネントを開発ツール(Microsoft Visual Studio)でプログラムを行い、そのプロトタイプ作成に着手した。
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