本年度は、中国青島市等において調査活動を実施すると共に、新潟大学での研究シンポジウムに中国海洋大学のスタッフを招いて問題点等を検討した。また史料目録の作成に着手しつつ、資料収集の成果に基づいた検討を行って研究論文をまとめ公表した。 9月の青島市における調査においては、まず青島市档案館を訪問し、同館所蔵の近代日本関係資料について、資料タイトルを一点ごとに筆写することにより入手した。また複写は制限されていたが、許可された必要最低限の資料について複写により入手した。本調査では、中国海洋大学文学院の修斌助教授からの全面的支援を得て円滑に実施することが出来た。 また青島市立図書館に所蔵されている日本語文献の調査を実施した。同図書館長によると、日本人研究者にこれらの文献のほぼすべてを見せたのは初めてのことであるという。青島商工会議所等が所蔵していた日本関係文献を戦後同図書館に集めたコレクションである。現在の保存状況は好ましいものではなく、何らかの対応が必要であることを認識した。 10月には新潟大学人文学部主催の国際シンポジウムの一環として、本研究課題の遂行のために支援していただいている中国海洋大学文学院の修斌助教授等を招いて課題に関する問題点等について検討した。 これらの資料調査やシンポジウムにおける検討等を踏まえて、研究成果欄に掲載した二本の論文をまとめ、公表した。
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