本年度は、引き続き中国青島市等において調査活動を実施すると共に、新潟大学での国際シンポジウムに再び中国海洋大学のスタッフを招いて問題点等を検討した。また資料目録の作成作業を引き続きおこない、資料収集の成果に基づいた研究論文をまとめ公表した。 11月に実施した青島市調査においては、青島市档案館に連日通い、同館所蔵の近代日本関係資料のうち、とくに青島港を中心とする物流ネットワークに関する資料を集中的に調査し、必要資料を複写した。本年も引き続き中国海洋大学文学院の修斌助教授から全面的支援を得て円滑に実施することが出来た。 また東京商工会議所経済資料センターや国立国会図書館等において、青島市や山東省の近代日本関係資料の調査を実施し、必要資料を複写した。また部分的ではあるが、関連資料の資料目録を作成した。これらの目録については、順次ウェブ上に公開する予定である。 3月には新潟大学人文学部主催の国際シンポジウム「東アジアの地域ネットワーク」の開催を支援し、中国海洋大学文学院海洋文化研究所長の曲金良教授から報告をしていただくなどにより本研究課題に関する問題点についても検討を進めた。これらの成果を踏まえて、今後の本研究の方向性を模索し、次年度に生かすこととした。 以上の資料調査や研究会における報告・議論を踏まえて、研究成果の一覧に記載したような、いくつかの論文をまとめて公表した。
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