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2005 年度 実績報告書

国際連盟における中国外交と日中関係-中国外交档案による「リットン史観」の克服-

研究課題

研究課題/領域番号 17653017
研究機関北海道大学

研究代表者

川島 真  北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 助教授 (90301861)

キーワード国際連盟 / 日中関係史 / リットン調査団 / 東アジア規範形成 / 国際組織史 / 国際行政史 / 日中歴史問題 / ハーグ平和会議
研究概要

本研究は、国際連盟における日中関係について研究し、そこから従来の日中関係史研究には見られなかった側面を浮かび上がらせるとともに、直接的な二国間関係に基づくものではない、国際機関を通じての東アジアにおける秩序形成のあり方を追求しようとするものである。今年度は、第一に国際連盟の全身とも言えるハーグ平和会議における日中関係について検討をくわえた。その成果は、下記に記した「歴史物語の中の近代中国論-日本はなぜ中国の主要敵か-」として公刊した。第二回ハーグ平和会議では、既に国際司法裁判所の判事の数をめぐって日中の間で相克があり、日本が中国を三等国として位置づけようとする局面があった。第二に、国際連盟のリットン調査団をめぐる日中間の調整について、特にその「近代」をめぐる解釈の相違や、相互認識の問題について検討を加え、「"歴史的"に見る日中歴史問題」などとして公刊した。リットン調査団の報告書は、まさに両国の近代を総括しようとするものでもあった。第三に、日本外務省記録などを通じて、衛生や文教など、国際連盟の対中協力をめぐる日本側の見方などについて初歩的な調査をおこなった。今年度は、国際連盟における日中関係の背景ともなるハーグ平和会議、またリットン調査団の報告書それじたいを読み解くという所期の目標を達成したが、多くの課題も残されている。次年度は、国際連盟の議事録などから、日中間の応酬を総合的に把握し、リスト化するような試みをしたい。国際連盟における日中関係の論点一覧とでも言うべきものを作成して、その後に事例研究を進めていきたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 歴史物語の中の近代中国論-日本はなぜ中国の主要敵か-2006

    • 著者名/発表者名
      川島 真
    • 雑誌名

      RATIO O1

      ページ: 54-85

  • [雑誌論文] 中国外事警察制度之形成2006

    • 著者名/発表者名
      川島 真
    • 雑誌名

      東亜視域中的国籍、移民與認同(甘懐真・貴志俊彦・川島真編著)(台湾大学出版中心

      ページ: 83-100

  • [雑誌論文] 歴史の中の日中関係2005

    • 著者名/発表者名
      川島 真
    • 雑誌名

      外交フォーラム 204

      ページ: 22-27

  • [雑誌論文] "歴史的"に見る日中歴史問題2005

    • 著者名/発表者名
      川島 真
    • 雑誌名

      中央公論 2005・7

      ページ: 60-71

  • [雑誌論文] 共通的のない時代2005

    • 著者名/発表者名
      川島 真
    • 雑誌名

      アステイオン 63

      ページ: 34-59

  • [雑誌論文] The History Factor in Sino-Japanese Ties2005

    • 著者名/発表者名
      KAWASHIMA, Shin
    • 雑誌名

      JAPAN ECHO 32-5

      ページ: 16-22

  • [図書] 東亜視域中的国籍、移民與認同2006

    • 著者名/発表者名
      甘懐真, 貴志俊彦, 川島真編著
    • 総ページ数
      191
    • 出版者
      台湾大学出版中心

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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