本研究の目的は、経済成長におけるインフラ開発の役割について、今までのマクロ経済効果を示した既存研究に加え、セクター別、ならびにミクロ的な分析を実施するため、経済成長率への貢献度が大きいと考えられる輸出産業を取り上げ、タイとベトナムにおけるインフラ整備の効果を検証することである。 今年度は、タイとベトナムにおける先行研究をサーベイし、タイ、ベトナムにおける研究機関、援助機関関係者との意見交換を行った。また、主に、ベトナムにおける零細地場産業に従事する企業への聞き取り調査をハノイ近郊で行った。 以下、調査国であるタイ、ベトナムで今年度実施した事項をまとめた。 ベトナムにおいては、現地調査も含め主に以下の事項を行った。 ・マクロ経済変数、地域別インフラ整備状況についてのデータ収集および状況把握 ・援助機関および大学、政府機関関係者との意見交換 ・ハノイ近郊の村(ハノイより30kmおよび60kmの地域)における零細地場産業開発の状況およびインフラ整備の産業発展効果について、聞き取り調査を実施。 タイにおいては、以下の事項を主に実施した。 ・マクロ経済変数、地域別産業開発およびインフラ整備状況にういてのデータ収集および状況把握 ・援助機関および研究機関関係者との意見交換 来年度は、タイにおいて同様の聞き取り調査を実施する予定である また、神戸大学大学院国際協力研究科の三重野文晴助教授を招聘し、タイにおける企業行動について講演をしていただいた。
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