本研究の主な目的は、特に熱帯雨林において、斬新な生業データ収集法の開発に向けた足がかりをつかむことである。今年度は、これまでに実施した文献調査、ゲータ収集法のレビュー、ならびに国際林業研究センター(CIFOR)主催の貧困環境ネットワーク(PEN)での議論をもとに、下記の二つのプロジェクトにおいて新手法のフィ-ルド実験(準備)を行った。 1.ナイジェリア調査〜研究代表者は、平成19年度4月から2年間外国人特別研究員Bongo Adiを受け入松'共同研究「社会資本、コミュニティー開発、貧困:アフリカにおける文化的規範の影響に関する研究」を実施する。本年度は、その予備讀査として、ナイジェリアの農村を対象に、貧困、共向体、社会資本、そして文化規範に焦点を当てたパイロット調査を実施した。特に、測定が困難である社会資本と文化規範に関して、様々な調査票を異なるレベル(個人、村、グループ)の回答者に試行した。本パイロット調査結果をもとた、本調査に向けた調査票の精級化が図られる。 2.カンボジア調査〜研究代表者は、「紛争後の貧困と障害者の実態調査」(基盤研究B)の中で、平成19、20度に、カンボジアにおける貧困と障害に関して家計調査を実施する予定である。本年度に調査票の素案作りを行い、生業、所得、社会資本、バリュー(例えば幸福度)等に関して、試行的な調査票案を作成した。これらは、平成19年度に、パイロット調査ならびに本調査で試行される予定である。
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