本年度は、初年度の英国、ドイツ、北欧、中東欧の日系企業とJETROへの調査研究を踏まえて、これまでの伝統的な旧西欧地域(英国、イタリア、フランス、ベルギー、オランダ)におけるEU拡大に伴う地域・経済特性の動向の調査研究と共に、それら地域における日系企業の経営管理と管理会計の展開と課題について、日系企業とJETROでヒアリング調査と資料収集を行った。その結果、拡大EUの可能性(方向性)と日系企業の経営管理と管理会計について、以下のようなヒアリングと資料収集を行った。 1、EU拡大と日系企業のそれへの対応(進出)について文献、資料の収集と分析を継続して行った。 2、これまでのヨーロッパの日系企業への管理会計・原価管理のフィールド・スタディ(1990年と2001年調査)との比較により、拡大EU(中・東欧化)のケースの蓄積と特性を解明している。 3、ヨーロッパ(英国、イタリア、フランス、オランダ)に進出している日系企業のケースについて、その経営管理、管理会計、コストマネジメントの全体像と地域特性について、またその現地適応について面接調査を行った。その結果、昨年度調査したチェコ、ポーランド、オーストリアを始め中・東欧諸国や東アジアからの影響もみられると共に、グローバルな視座からの対応が要請されていることが窺えた。 4、個別企業の面談調査による管理会計・原価管理の実証研究と共に、EUのジェトロ(イタリア、フランス、オランダ、ベルギー)でのヒアリングと関連資料の収集とJETRO(イスタンブール)でのヒアリング・資料収集と、現地サイド(日本・トルコの連携を含む)の対応についても、現地サイドの経営者からヒアリング調査と資料収集を行った。 平成19年度は、ハンガリーと英国を中心に、EU拡大の中における日系企業のマネジメントと管理会計の対応についてのヒアリング調査の継続と共に、取り纏めを行う予定である。
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