研究概要 |
1,第1段階(予備的研究)として、中国語圏から日本にきている日本語習得のための就学生のメンタルヘルス状況を把握するために、平成17年7月に福岡市内のA日本語専門学校生徒(1年生約100名、2年生約120名)を対象にGHQ30を実施した。その結果、若干のメンタルヘルスが悪い学生が認められた。また、どのような心理支援を求めているかについてのアンケート調査を行った。その結果、グループ・プログラムによる心理支援へのニーズが高いことが分かった。 2.第2段階として、前述の予備的研究を踏まえて、1年生全員(5クラス:約100名)を対象に、メンタルヘルスの増進のために、臨床心理士養成の大学院に在籍中の院生5名がA日本語専門学校の教室に出向いて、母国語(中国語)によるエンカウンター・グループを基盤としたグループ・プログラム(100分間)を実践した。実践は、7月〜平成18年2月の間に、各クラスに対し4〜5セッション行われた。参加者には、第1セッション直前に参加前の気持ちを問うアンケートを実施した。また、毎セッション直後には、グループ体験を問うアンケートを実施した。アンケートからは、グループ・プログラムがメンタルヘルスに貢献していることが伺える。 3.1年生を対象とした本年度最後のグループ・プログラムが行われた2月には、1年生だけでなく2年生に対しても2回目のGHQ30を実施した。 4.このグループ・プログラムの対象となっていない2年生には、今回のプログラムのスタッフが福岡市内の国際交流の場となっているところで月に1回開催している「中国人就学生のための中国語による心理支援の会」(120分間)を紹介している。また個別カウンセリングの希望者にはその機会を提供できるという案内を行っている。
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