1.就学生のメンタルヘルス状況のアセスメント 中国語圏から日本にきている日本語習得のための就学生のメンタルヘルス状況を把握するために、某日本語専門学校生徒(1年生、2年生)を対象に、平成17年度(平成17年6月、平成18年2月)、平成18年度(平成19年2月)に、一般健康調査(GHQ30)を実施した。平成17年の結果では、平均的には概ね健康状態は良好であるが、個別的には健康状態が良くない者が結構いること等、平成18年度の結果では、健康状態はあまり良くなく、特に対人関係は深刻であること等が分かった。 2.心理支援プログラムの考案と実践 一般健康調査(GHQ30)によるメンタルヘルス状況も参考にしながら、某日本語専門学校生徒(平成17年度は1年生=5クラス、平成18年度は2年生=5クラス)を対象に、エンカウンター・グループ方式による心理支援を、平成17年度は4セッション、平成18年度は3セッション、実践した。その結果、グループ体験は概ね肯定的であり、満足度も高く、メンタルヘルス支援の効果が認められた。 3.別のプログラムの実践 某日本語専門学校生徒だけでなく、近隣の日本語専門学校(10校)に通学中の生徒すべてに開かれたエンカウンター・グループ方式による心理支援を、毎月1回(2時間)、国際交流の場となっているビルで実践した。その結果、参加者のメンタルヘルスに効果が認められた。 4.就学生の進学意思決定に関する探索的研究 就学生にとっては進学についてどのように意思決定をするかが、非常に大事な問題であり、それがひいてはメンタルヘルスに影響するので、探索的研究として、「教育的進路意思決定尺度」を作成した。
|