研究課題/領域番号 |
17653081
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研究機関 | びわこ成蹊スポーツ大学 |
研究代表者 |
宮本 友弘 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 准教授 (90280552)
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研究分担者 |
小浜 明 仙台大学, 体育学部, 教授 (70170298)
糸岡 夕里 広島女学院大学, 文学部, 講師 (50387966)
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キーワード | 健康教育 / 健康リテラシー / 尺度開発 / 健康度・生活習慣診断検査 / 中学生 / 高校生 / 発達差 / 性差 |
研究概要 |
本年度の目的は、昨年度試作した健康リテラシー評価尺度を用いて小中高生を対象に質問紙調査を実施し、評価尺度の精緻化を図るとともに、健康リテラシーの発達的変化を探ることであった。ただし、元小学校教師を含む研究協力者と項目内容を再検討した結果、小学生による回答は困難と判断し、今回は、中学生260名、高校生323名を対象に質問紙調査を実施した。主な結果は、次の通りである。 1.探索的因子分析から、健康情報の探究や日常生活での健康維持の実践など健康情報の積極的な活用を志向した行動を示唆する「健康情報の活用志向」、及び、さまざまな情報源からの健康情報の受容や理解をあらわす行動を示唆する「健康情報の理解」の2つの因子が見出され、それに基づき2つの下位尺度を構成した。 2.既存の健康度・生活習慣診断検査(DIHAL.2)との関連性から健康リテラシー尺度の妥当性が確認された。また、2つの下位尺度のうち、「健康情報の活用志向」はDIHAL.2のほぼすべての尺度と相関を示したが、「健康情報の理解」は部分的であり、相関の強さも弱かった。このことから、2つの下位尺度の弁別性が確認された。 3.調査対象者を学年と性別から4群に分け、2つの下位尺度得点について2要因の分散分析を行った結果、「健康情報の活用志向」は学年にかかわらず一貫して女子の方が有意に高い得点であった。一方、「健康情報の理解」は性別にかかわらず高校生が中学生よりも有意に高い得点であった。このことから健康リテラシーの2つの側面には発達段階や性別によって違うことが確認され、その背景として、思春期における心身の変化に対する敏感さ、及び、学校における保健授業等による健康面に関する学習の深化による影響が示唆された。 なお、以上の結果については、日本教育心理学会第50回総会(2008年10月11日〜13日)にて発表予定である。
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