研究課題/領域番号 |
17653088
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
寺澤 孝文 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90272145)
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研究分担者 |
原 奈津子 就実大学, 人文科学部, 助教授 (80322585)
井上 祥治 岡山大学, 教育学部, 教授 (00093667)
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キーワード | 社会心理学 / 潜在記憶 / 単純接触効果 / 長期記憶 |
研究概要 |
本年度、インターバル要因を操作し新しいタイプの単純接触効果を検出するために、データ入力が効率的に行えるシステムを作り上げることを、一つの目的とした。その結果、OCRの入力システムを利用し、データ入力を自動化するシステムがほぼ完成した。ただ、開発が遅れたため、本年度はインターバルを統制した実験を実施するかわりに、インターバルが比較的短期間(2ヶ月程度)でも学習の効果が検出できることが明らかになってきた音刺激を用い、実験を実施し、潜在記憶と単純接触効果の相違を検討することを目指した。 すなわち、潜在記憶課題(間接再認テスト)を用いた記憶実験では、音刺激を刺激として用いた場合に、極端に大きな学習の効果が2,3ヶ月後に検出できること、およびインターバルが比較的短くても検出できることが明確になってきた。例えば、間接再認テストの指標では、1度の遭遇経験により、2ヶ月後に、指標の変化範囲(それぞれ0.5)の6割〜8割に対応する変化が確実に検出される。 そこで、潜在記憶課題と好意度評定の両者を指標に音刺激を材料にして2ヶ月以上のインターバルをあけ、過去の遭遇回数の影響を複数の実験で検討した。その結果、潜在記憶課題では極端に大きな効果が検出されるが、好意度評定には有意な効果が得られにくいことが明らかになった。潜在記憶と単純接触効果の生起メカニズムが異なる可能性を示唆する結果といえる。また、単純接触効果を検出する上では、無意味な音刺激よりもイラスト刺激を用いることが有効である可能性が示されたといえる。
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