(1)教育委員会や教育センター主催で各地において取り組まれている教員研修プログラムに関する資料を収集し、あわせて関係者にインタビューを行った。この結果、つぎの2点が明らかとなった。その一、研修側が意図する研修のねらいやその達成の重要性について、受講者には必ずしも十分に理解されておらず、受講側には「やらされている」「形式的な出席にすぎない」といった意識が拭いがたく認められること。その二、研修側には、教授-被教授という従来の教育スタイルをもって研修目的が達成されるはずと考えられている側面が認められ、受講者それぞれが職能開発の課題に気づき、自発的な意欲や態度を喚起する上で問題があると考えられること。 (2)研究代表者じしんが研修講師として、「教えられる」のではなく「学ぶ」研修へと方向づけすべく、いくつかのプログラムに取り組み、双方向のコミュニケーション、メディアの活用、受講者の気づきや振り返りの促進に重点を置いた研修を試みた。この結果、かれらによる研修への評価結果から、明るい雰囲気や演習を通した「快」の感情、新たな視点との出会い、発想の転換、具体的な目標への接近意欲、などが引き起こされることを明らかにした。
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