研究課題/領域番号 |
17653110
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
礒田 正美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (70212967)
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研究分担者 |
清水 静海 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (20115661)
宮川 健 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 研究員 (30375456)
渡邊 公夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50015913)
長岡 亮介 放送大学, 教養学部, 教授 (60155918)
飯高 茂 学習院大学, 理学部, 教授 (20011588)
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キーワード | 数学オリンピック / 公正 / 英才教育 / 個に応じた指導 / 試験 / 才能 / 発展学習 / 算数・数学 |
研究概要 |
本研究の目的は、国際数学オリンピック(IMO)総合順位上位国と、我が国の秀でた生徒の教育方法を、出場者個別育成ストラテジの次元で比較調査することを通して数学における秀でた生徒を育てる教育のノウハウの相違を明らかにし、その結果から教育研究への範例、実践開発への教材を得て、国内、途上国における人材育成方略への提言をすることである。具体的には、1).入試選抜による特別学校を基盤とする中国の英才教育と、自主セミナーという機会均等・公正理念のもと、誰もが参加しえるブルガリア方式など、秀でた生徒を育てる教育に対する考え方の相違を明らかにする。2).本調査では、IMO出場者輩出校での教育方法・内容調査を行う。具体的にはカリキュラム(教科書、教材)、指導法、指導者、生徒、入学、進路、動機の項目毎に、英才教育のプロセスを質的に調査し、関連資料を収集する。3).収集資料を基に、カリキュラム・教材資料集を作成する。4).適宜、それぞれの立場でそれぞれの調査成果を報告するとともに、公開シンポジウムを平成18年度に行い、秀でた生徒をさらに鍛える数学教育の研究と実践の必要を広く喚起し、今後の展開を基礎付ける。 本年度は、ブルガリア調査(3名)、ベトナム調査(2名)、中国調査(2名)を行った。いずれの国でも、国家教育課程の目標として、秀でた生徒の育成を謳っていないにも関わらず、秀でた生徒の育成に係るシステムを備えていた。ブルガリアでは、それは数学会によって維持されており、数学会の拡大戦略に、数学オリンピック向け自主的なセミナー形式が位置づけられていた。ベトナム、中国はエリート校、保護者、社会の進学熱の一部として、数学オリンピックが位置づけられていた。ベトナム、ブルガリアでは、数学オリンピックまでを視野に国全体の学力選抜試験が行われていた。オリンピック参加者が入試で優遇されるなどの制度もみられた。
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