研究概要 |
子どもたちに「思考」する力を身につけさせるために,特に初等教育段階に適応できる「哲学」カリキュラムの開発をめざし,17年度は以下のような計画で研究を進めてきた。 1.米国IAPCによって開発されている初等教育用のカリキュラムである「Elfie:考えをまとめる(幼稚園〜1年)」「Kio & Gus:不思議な世界(2〜3年)」「Pixie:意味の追究(3〜4年)」「Nous:行為の決定(4〜6年)」「Harry Stottlemeier's Discovery:哲学的探究(5〜6年)」を教師用マニュアルも含め日本語化した。また、「子どものための哲学」用に開発されている評価ツール「The New Jersey Test of Reasoning Skills」についても日本語化した。現在,それらについて18年度に授業実践するパオロット校の教諭等と研究協議を重ね,完成を目指している。 2.さらに、アジアの中でいち早く「子どものための哲学」を導入している韓国の実情を調査し,上記したテキスト,教師マニュアルの韓国版を入手した。これらをアジア型の取り組みの範例とするとともに、現在,日本語化したものと比較検討している。また,韓国独自に開発された教材と実践授業を映像録画した。これについても現在,分析中である。 3.加えて台湾,シンガポールとも連絡をとって,情報の交換を行った。18年度はこれらの国とも連携した実践者用のワークショップを計画中である。 4.日本語化したテキストのうちHarry,及び独自開発した「哲学」授業を本学の附属中学校2年生を対象に約半年間試行しデータを収集した。また,18年度に実践予定のパイロット校において17年度においても先行的に授業実践を行ってデータを収集した。
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