研究概要 |
平成18年度においては以下の計画で研究を進めた. 1)18年度は,前年度に開発した「哲学」カリキュラムの中から「Harry Stottlemeier's Discovery:哲学的探究(5〜6年)」を用いて,5年生を対象に「哲学」授業を実践した.授業実践に際して各児童の発話をICレコーダーを持たせ記録した.実践授業の全体像はDVDビデオに保存した.また,低学年児童を対象に「絵本の読み聞かせ」による「子どものための哲学」活動を行い,同様な手法でデータを収集した.現在,これらのデータをもとにプロトコル分析を行い,児童の思考力への効果を分析している. 2)また、前年度、入手した韓国版の「子どものための哲学」テキストを分析し、日本版のものと比較検討してアジア型の範例を作成した.加えて、韓国オリジナルのテキストの翻訳を完了した.現在,これを分析するとともに日本版オリジナルを作成している. 3)前年度、韓国の研究者と協議する中で提案されたアジア地域の「子どものための哲学」ネットワーク作りをさらに具体化させ進めている.今年度はこの研究者に日本での取り組みを紹介するとともに日本語版「子どものための哲学」活動に対する助言を受けた.また、韓国の「子どものための哲学」授業実践者と今後の活動について協議した. 4)本学の附属中学校2年生を対象に独自開発した「哲学」授業については、前年度の実践の分析結果をふまえ、さらに改良を加え、中等教育段階のカリキュラム開発の基礎資料とした.また,韓国の研究者によるモデル授業を行い,現在,この分析を行っている.
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