研究課題/領域番号 |
17653122
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中村 満紀男 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (80000280)
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研究分担者 |
鳥山 由子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00302365)
岡 典子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20315021)
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キーワード | 六星の光 / 点字雑誌 / 明治時代 / 大正時代 / 昭和時代 / 視覚障害者当事者 |
研究概要 |
これまで研究資料としてほとんど利用されなかった、明治末に東京盲(唖)学校卒業生を中心として刊行された点字雑誌「六星の光」を発掘・整理し、墨字化するという当研究プロジェクトの課題について、筑波大学附属盲学校の教員並びに卒業生の協力を得て行ってきた。しかし、表現・表記の現代用法との相違、現代の点字表記法との違い、点字表記の誤り、点字の破損等によって、墨字化には予想以上の労力と時間を要している。 しかしながら、墨字化した資料を、研究協力者によって研究誌に掲載する段階まで進んできた。萌芽研究としての本研究は、いくつかの成果をあげつつある。第一に、「六星の光」の墨字訳の活動が開始されたという情報)が伝わりつつあることにより、その保存と墨字訳の活動の研究的・教育的意義がしだいに理解されつつある。口コミだけではなく、2006年1月19日点字毎日活字版「ルポ最前線を行く」において「データ化進む『六星の光』」と題されて、当研究プロジェクトが報道された。第二に、「六星の光」の墨字訳は、筑波大学附属盲学校および同校卒業生の協力により、予定よりも時間を要しているものの着実に行われつつある。点字表記以外の問題も出てきている。それは、表音文字である点字を墨字にする場合、二つの方法がある。(1)点字から墨訳をして、その墨訳をチェックする晴眼者を、点字を読む人と同数用意する。または(2)経験豊かな墨字校正専門家に有料で依頼して、正確な墨字訳を期する。人手の獲得と資金というように、問題は異なるが、これらが新たな問題として生じている状況である。
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