Scotopic Sensitivity Syndromeは、Helen Irlenが学会に発表し、さらにそのようなSyndromeを持っている人たちに対する色フィルムや色レンズを開発したことから、Irlen Syndromeという場合もある。Irlen Syndromeに関する国際会議は、International Irlen Conferenceというが、その第10回大会がHustonにおいて行われた。2008年7月16-20日にその会議に出席し、「日本におけるIrlen Syndromeに関する認識(Acknowledge about Irlen Syndrome in Japan)」に関してShort Speechを行ってきた。これまで経験したIrlen Syndromeであろう事例7名についての見え方に関する調査およびスクリーニング検査を行い、色レンズをフィッティングした。それらの7名から、Scotopic Sensitivity Syndromeは、色レンズのフィッティングによって見え方が改善するため、いわゆる学習障害のディスレクシアとは異なり、高次脳機能の問題ではなく、網膜-外側膝状体-第1次視覚野付近までの視知覚に関する問題であることが示唆された。すなわち、いわゆる読み書きの困難を特に持ち合わせなく、健常者と同じように日常生活を送っている人もいる上に、発達障害、特に高機能広汎性発達障害あるいはその傾向をもった人が多いことが明らかとなった。本症候群は感覚過敏であると考えられた。色フィルムよりも色レンズによって、ある波長の光を吸収するように詳細にフィッティングすると、さらに見やすい、読みやすい状態となることがわかった。これらのことから、Scotopic Sensitivity Syndromeとは、Light Sensitivity Syndrome(光感受性障害)と表現した方がいいように思われた。
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