研究課題/領域番号 |
17653125
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
殿山 希 筑波技術大学, 保健科学部, 助手 (50341756)
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研究分担者 |
柴崎 正修 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30049233)
宗像 恒次 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (90132878)
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キーワード | 按摩マッサージ療法 / 肩こり,自覚症状 / 不安感 / 唾液中コルチゾル / 分泌型免疫グロブリンA,s-IgA / 学習途上者(学生)の施術 / 熟練度 / あん摩マッサージ療法教育 |
研究概要 |
本科学研究費補助金を得て平成17年度に行った実験から、熟練した施術者が行う40分間の按摩療法は施術直後に肩こりの自覚症状、状態不安、唾液中コルチゾル値を有意に低下させ、分泌型IgAを有意に増加させることが明らかとなった。また、肩こりの目覚症状の軽減は施術後4日目まで持続したが、他の項目については持続効果はみられなかった。そこで、今年度は按摩療法の累積効果に着目して実験を行った。 対象:慢性的に肩こりを自覚する健康女性50歳代(閉経後数年を経過しており、現在更年期障害はない)6人。 手順:40分間の按摩療法(顔面・頭・腹部を除く)を週に2回ずつ、1ヶ月間(合計8回の按摩施術)を受けてもらった。按摩施術は同一施術者が行った。また、同一被験者に1回ずつ、按摩施術を受けないベッド上での40分間の休息を取らせ、コントロールとした。 測定項目:肩こりの自覚症状の強さ(Visual Analogue Scale, VAS)、状態・特性不安(State Trait Anxiety Inventory)、抑うつ(Self-Depression Scores, SDS)、唾液中コルチゾルと分泌型IgAを測定した。 結果:按摩施術の前後で、肩こりの自覚症状、状態不安、唾液中コルチゾル値は有意に低下、分泌型IgAは有意に増加し、昨年の結果の再現性を確認した。治療初回前と最終回施術前のそれぞれの数値を比較すると、肩こりの自覚症状、特性不安、抑うつが低下していた。 結論:週に2回ずつ一月間の按摩療法を受けることで、身体の自覚症状である肩こりの軽減と不安を感じやすい性質が緩和され、抑うつ気分が軽減された。しかし、唾液中のストレスホルモン濃度、免疫系を示すIgA濃度の持続的効果は明確にはできなかった。指標とする物質の検討が必要と思われた。
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