研究概要 |
本研究は、群の樹木への作用に関して、次のような新しい可能性を切り開く事を目的としています。筆者自身の発見による"群の樹木への作用に付随して無限遠に現れる群"の概念は"樹木の無限遠における自己同型群"として定義されるもので、オリジナルな群の構成法です。例えば作用する群としてPSL(2,Z)を取ると、Thompsonより発見された"有限表示無限単純群"に同型になることが証明できました。さらに、作用する群をそれ以外の群に取った場合にも、Thompson群と同様の興味深い性質を持った新しい群が得られるのではないかと期待されます。との目標に向かって、"群の樹木への作用に付随して無限遠に現れる群"が有限表示無限単純群になるための条件など、様々な性質を統一的に調べ上げる研究をおこないました。また群の樹木への作用の研究は、群の分解の仕方と密接な関係があり、同時に3次元多様体の最も重要な不変量である基本群の研究にも大きな寄与をなすものです。次の研究成果が得られました。 ・Intersections of finitely generated subgroups in a 3-manifold group (preprint) ・A distance on HNN decompositions of a group and incompressible spanning surfaces (in preparation)
|