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2005 年度 実績報告書

量子力学から導かれる点過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17654021
研究機関金沢大学

研究代表者

田村 博志  金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80188440)

キーワードRandom Point Field / Statistical Mechanics / Para-particle / Fredholm Determinant
研究概要

d次元ユークリッド空間内の有界な箱(体積V)の中に、N個の自由フェルミオン(またはボゾン)を入れた量子統計力学系を考える。波動関数の絶対値の2乗を粒子の位置の分布を表す確率密度関数とする解釈により確率点場が得られる。N/Vが正の数に収束するような熱力学的極限をとることにより、いわゆるフェルミオン過程(またはボゾン過程)を得た。具体的にはこれはフレドホルム行列式のパラメータに関する積分に鞍点法を用い計算される。絶対零度の系に対しての同様な結果はよく知られたことであるが、これは零点でない系に対する結果として新しい。さらに、この方法は次数2のパラ粒子の系や、複合粒子の系へも応用可能であることを示した。(CMPに掲載・裏面参照)
次に、この方法をボゾン系の高密度の場合(ボーズ凝縮系)に対して応用した。前述の場合に比べ、熱作用素の変形によるスペクトルの変化(通常の摂動とは異なる)についての詳しい評価が必要であり、この点工夫を要した。(プレプリント・投稿中)
更なる応用として、次数3のパラ粒子の系を考えた。パラ粒子系を扱う場合は、前述の場合も同様であるが、対称群の表現論を用いて投射作用素を作り、それによって1粒子状態空間のN重テンソル積から部分空間を指定しなければならない。この操作は、次数が大きくなる程複雑になる。次数1の場合は通常のフェルミオンまたはボゾンであるが、次数2の場合は(規約表現の指標を誘導表現のそれのよって表す)行列式型公式を用いた展開により次数1の場合に帰着できる。次数3の場合にも同様の方法を用いた。評価すべき項の数が多くなるが、腕力により遂行した。その結果、パラ粒子ガスを表す確率場は、通常のフェルミオン過程またはボゾン過程の畳み込みと同分布であることが示された。(プレプリント・投稿中)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A Canonical Ensemble Approach to the Fermion/Boson Random Point Processes and its Applications2006

    • 著者名/発表者名
      H.Tamura
    • 雑誌名

      Commun.Math.Phys. 263(2)

      ページ: 353-380

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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