研究概要 |
1.本研究課題の2年目である。研究代表者一瀬は,昨年度(2005年)radial Dirac方程式のGreen関数の数学的厳密な経路積分表示を得て,2005年J.Math.Phys.誌に発表した。この方法を2次元 Euclidean Dirac方程式の極座標成分に適用して,2次元Yukawa場の量子論へ応用するPreliminaryな考察を行った。即ち,G.A.BattleとL.Rosenは論文"The FKG inequality for Yukawa_2 quantum field theory"(J.Statist.Phys.Vol.22,1980)において,Vekua-Barsによる一般化された解析関数の理論を用いてFKG不等式を証明したが,この結果の経路積分的方法による別証明を与える試みの第一歩として,いくらかの計算を行い2006年の京都大学数理解析研究所講究録に書いた。 2.上述のJ.Math.Phys.でGreen関数を表示するために構成した経路の空間上の可算加法的2×2行列値測度の4つの成分の中身をもっとよく調べる必要があり,少し時間がかることのように思われる。目下鋭意検討中である。 3.尚,一瀬は,確率論関係の識者達から本研究について何かを学ぶべく,2006年6月にリトアニアで開催された第9回国際ヴィルニクス会議「確率論と数理統計」に出席し,昨年度J.Math.Phys.に発表した結果「極座標ディラック方程式のグリーン関数の可算加法的測度による経路積分表示」と本研究課題について講演を行った。
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