一般化Morrey-Campanato空間の前相対空間は、まだ全体像がつかめておらず、適切な定義すら分かっていない。そこで、新たな空間を定義し、その空間と、これまで知られている空間の性質を調べて、比較することによって、研究を進めた。 1.Hardy空間の相対空間は、Holder(Lipschitz)空間であることが良く知られている。Holder空間は、Morrey-Campanato空間の特別な場合である。そこで、Hardy空間を一般化した函数空間でかつその相対空間が一般化Morrey-Campanato空間となるものを定義し、その空間のひとつの性質を明らかにした。Hardy空間は元はアトム分解できることが知られており、しかもコンパクトサポートを持つ元は、コンパクトな範囲にサポートが納まるアトムだけで分解できることが知られている。 この研究では、ここで定義した函数空間でもこうしたことが可能であることを、構成的に証明した。 2.一般化Morrey-Campanato空間をより精密に調べるため、Orlicz-Morrey空間を定義し、極大作用素や、分数べき積分作用素を一般化した作用素の有界性について、調査した。 3.Morrey空間の一般化や、それと関係の深いOrlicz空間、Lorentz空間、アマルガム空間などについて、今まで知られていなかった次の性質を明らかにした。 (1)函数の合成積による分解に関する性質。(2)特異積分作用素の有界性。
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