研究課題/領域番号 |
17654050
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 好孝 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (50272521)
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研究分担者 |
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
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キーワード | ニュートリノ / 宇宙線 / 地下実験 / 太陽フレア / 水チェレンコフ / 核ガンマ線 / スーパーカミオカンデ / 粒子加速 |
研究概要 |
本年度では、太陽フレアとニュートリノとの相関研究、およびその新しいアプローチとしての「見えない」ミューオン事象研究について、以下の研究を行った。 1)2003年10〜11月に発生した大規模な太陽フレア群とスーパーカミオカンデで得られた太陽ニュートリノおよび大気ニュートリノサンプルとの相関について再解析を行った。今回は特に太陽フレアニュートリノ生成を起こす太陽表面での陽子加速が起こっている可能性のある期間を、衛星観測データからの核ガンや線解析によって絞込み、よりS/Nの高い太陽フレアニュートリノの探索を試みた。太陽フレア期間中から抽出された陽子加速の兆候を持つ6期間に対して、大気ニュートリノ1イベント、太陽ニュートリノ13イベントが対応した。予想されるバックグランド事象数は、大気ニュートリノに対して0.35イベント、太陽ニュートリノに対して10.6イベントであり、観測数とコンシステントであり、太陽フレアニュートリノの明らかな証拠は見つからなかった。 2)上記の太陽フレアニュートリノの検出効率を拡大するため、通常解析に使用されない100MeV以下の大気ニュートリノサンプルについて、解析方法の検討を行い、「見えない」μニュートリノ事象により、太陽フレアニュートリノの領域である数100MeV以下のニュートリノ検出効率をどのように改善できるか検討し、このエネルギー領域ではほぼ半数のμニュートリノは崩壊電子だけを残す「見えない」μニュートリノ事象となっていることが判った。 3)つくば一神岡長基線ニュートリノ振動実験(K2K実験)で得られた前置水チェレンコフ装置のデータから「見えない」μニュートリノ事象の検出を行い、ニュートリノ反応における核ガンマ線放出仮定の存在の立証を行い、実験に使用されているニュートリノ反応モデルとほぼコンシステントであることを確かめた。
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