研究課題/領域番号 |
17654058
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
芦田 昌明 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60240818)
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研究分担者 |
石原 一 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60273611)
伊藤 正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60004503)
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キーワード | 量子ドット / 光マニピュレーション / 超流動ヘリウム / レーザーアブレーション / ナノ材料創製 / ナノ構造形成 / 光制御 |
研究概要 |
超流動液体ヘリウム中でレーザーアブレーションを行うことにより、ワイドギャップ半導体CuClの微粒子を作製した。生成された微粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、マイクロメートル程度以上の大きさのものに加え、十から百ナノメートル程度のいわゆる量子ドットも観測された。使用した装置では数ナノメートル以下のサイズのものは観測できないため、さらに小さな量子ドットが作製できた可能性もある。また、特性X線の測定による組成分析から、生成された量子ドットがCuClからなること、またカソードルミネッセンス測定から、CuCl量子ドットとしてよく知られた発光を示す良質な結晶性を有していることも確認した。このようにCuCl量子ドットの超流動ヘリウム中における直接生成に成功した。 さらに、作製したCuCl量子ドットに、その励起子共鳴に相当するエネルギーをもったマニピュレーション光を照射し、輻射力による運動の制御を試みた。手始めにスペクトル幅が広く、粒径数十ナノメートルの量子ドット全てに共鳴するような光を用いて、できるだけ多くの量子ドットを制御することを目指した。その結果、目論み通り、数十ナノメートル程度の量子ドットをセンチメートル程度の距離に亘って、重力による沈降に打ち勝って移動させることに成功した。また、現状の装置と比べて試料空間が十倍程度大きなクライオスタットを作製し、その立ち上げと特性評価を行った。この新クライオスタットを用いて量子ドットの移動距離を大きくし、光マニピュレーションと同時にサイズ選別を行うことを計画中である。
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