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2005 年度 実績報告書

量子ネルンスト効果の理論と実験

研究課題

研究課題/領域番号 17654073
研究機関横浜国立大学

研究代表者

白崎 良演  横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (90251751)

研究分担者 中村 浩章  核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (30311210)
羽田野 直道  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70251402)
町田 友樹  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00376633)
長谷川 靖洋  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60334158)
キーワードエッジ電流 / 量子ホール効果 / ネルンスト係数 / ネルンスト効果 / 非平衡定常状態 / 熱電能 / 熱流磁気効果
研究概要

磁場中の半導体に温度勾配を与えると起電力が生じるが、この現象はネルンスト効果と呼ばれる。2次元電子系において、さらに極低温にしてエッジ電流を考慮すると、量子ホール効果が現れる。中村、羽田野、白崎らは数十マイクロメートル以下のサイズの、特に電子のエネルギー散逸が非常に弱くなる2次元電子系において、エッジ電流モデルを使い、極低温下、磁場中かつ温度勾配中でのキャリアーのバリスティックな輸送を考察した。その結果、量子ホール効果と同様にネルンスト係数と熱輸送現象も量子化されることを理論的に示した。この現象を中村、羽田野、白崎らは量子ネルンスト効果と呼んだ。この理論は、フェルミ面がランダウ準位から離れている場合、試料(2次元電子系)の周辺をエッジ電流が巡るという仮設に基づいている。超強磁場下での有限サイズの2次元電子系では、電子バンドがランダウ準位に分裂する。フェルミ面がランダウ準位から離れている場合は、エッジ状態の寄与が重要であるが、エッジ状態の化学ポテンシャルの差は熱浴の温度差の高次の量になり、起電力が非常に小さくなる。従って、フェルミ面がランダウ準位近傍の場合にのみ、起電力が現れることになり、量子ネルンスト効果が得られる。また、化学ポテンシャルが同じランダウ準位の問にある限りは、エッジ電流のチャンネル数が変わらないため、熱コンダクタンスが量子化され、プラトーが現れる。フェルミ面がランダウ準位近傍にある場合はエッジ電流の考察だけでは不十分である。白崎、中村、羽田野らはバルク部の不純物によって現れる局在状態がネルンスト係数に及ぼす影響を摂動論によって調べた。弾性不純物の効果を取り入れ、Self-Consistent Born近似を用いて熱流・電流相関関数、電流・電流相関関数等を計算し、ネルンスト係数と熱輸送係数を求めたが、この場合でも、量子ネルンスト効果が理論的に示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Quantum Nernst Effect2005

    • 著者名/発表者名
      H.Nakamura, N.Hatano, R.Shirasaki
    • 雑誌名

      Solid State Communications 135巻

      ページ: 510-514

  • [雑誌論文] Impurity Effect in the Quantum Nernst Effect2005

    • 著者名/発表者名
      R.Shirasaki, H.Nakamura, N.Hatano
    • 雑誌名

      e-Journal of Surface Science and Nanotechnology 3号

      ページ: 518-523

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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