• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

量子ネルンスト効果の理論と実験

研究課題

研究課題/領域番号 17654073
研究機関横浜国立大学

研究代表者

白崎 良演  横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (90251751)

研究分担者 中村 浩章  自然科学研究機構核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (30311210)
羽田野 直道  国立大学法人東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70251402)
町田 友樹  国立大学法人東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00376633)
長谷川 靖洋  国立大学法人埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助手 (60334158)
キーワード量子ホール効果 / ネルンスト効果 / エッティングスハウゼン効果 / メゾスコピック系 / 熱流磁気効果 / スピン軌道相互作用 / スピントロニクス / 非可換ゲージ場理論
研究概要

平成17年度、我々は、温度差を加えた2次元電子系の強磁場下での振る舞いを、不純物散乱効果を考慮し、線形応答理論によって調べた。そして化学ポテンシャルがランダウ準位の中間にあるときにネルンスト係数が強く抑制されるという、バリスティック伝導理論と同様の結果を確認していた。平成18年度にフランスのBehniaグループ(ESPCI, Paris)から、Biのネルンスト係数およびエッチングスハウゼン係数の測定結果が発表され、これらの量子的な振舞いが示された。(cond-mat/0612112)そこで我々は、エッチングスハウゼン係数を理論によって求め、実験と比較した。その結果、ネルンスト効果の量子化とエッチングスハウゼン効果は理論と定性的に同じであるが、理論値が実験より一桁小さいことと、実験では係数のピーク値が温度に依存するが理論計算では説明できていないこと等が判明しており、現在これらについて検討している。
量子ネルンスト効果のように、メゾスコピック系において量子輸送現象に顕著な変化が現れる場合として、スピン軌道相互作用を持つ系の輸送現象を考察した。第一の成果として、スピン軌道相互作用のある擬一次元系が磁化を持つことを理論予測した。我々は、バリスティックな伝導をする擬一次元系の中に、スピン軌道相互作用(ラシュバ相互作用)がある場合、化学ポテンシャルがサブバンドにできたギャップの中にあるとき、面内に磁化が発生する事を示した。(バンドにギャップを作るためにx方向に弱磁場をかける。)第二は、スピン軌道相互作用を用いた完全スピンフィルターを提案した。スピンフィルターとは、電子流を入力したときに、上向きスピンと下向きスピンのうち片方のスピンが全く出てこない回路のことである。我々は二次元系のスピン軌道相互作用を非可換ゲージ場理論で解析し、磁場とスピン軌道相互作用の強さを調節することによって電子のエネルギーによらない完全スピンフィルターが実現できることを示唆した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Gap mediated magnetization of a pseudo-one-dimensional electron gas with a spin-orbit interaction2007

    • 著者名/発表者名
      N.Hatano, R.Shirasaki, H.Nakamura
    • 雑誌名

      Solid State Communications 141巻

      ページ: 79-83

  • [雑誌論文] Non-Abelian gauge field theory of the spin-orbit interaction and a perfect spin filter2007

    • 著者名/発表者名
      N.Hatano, R.Shirasaki, H.Nakamura
    • 雑誌名

      Physical Review A 75巻

      ページ: 032107-032113

  • [雑誌論文] Quantum Nernst Effect2006

    • 著者名/発表者名
      H.Nakamura, N.Hatano, R.Shirasaki
    • 雑誌名

      Proceedings of the 8^<th> International Symposium on Foundations of Quantum Mechanics in the Light of New Technology ISQM-TOKYO'05

      ページ: 266-269

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi