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2006 年度 実績報告書

陸域堆積物のアルミニウム26/ベリリウム10年代決定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17654094
研究機関弘前大学

研究代表者

堀内 一穂  弘前大学, 理工学部, 助手 (00344614)

研究分担者 松崎 浩之  東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (60313194)
キーワード地質学 / 地球化学 / 宇宙線 / 加速器 / 年代学
研究概要

本研究の目的は,「地表生成の」放射性核種アルミニウム26(半減期71万年)とベリリウム10(半減期150万年)に基づいて,十万〜数百万年前の陸域堆積物に対する新たな年代決定法を開発することである.本年度は,世界最古の湖であるバイカル湖の湖底堆積物深層部から得られた試料を対象に,堆積物粒子の内部に保存されたアルミニウム26とベリリウム10を分析し,それによる年代決定の可能性を検討した.
前年度までに構築された湖底堆積物中の石英を対象にした分析法に基づいて,バイカル湖から得られた600mコア試料の上部200m(過去500万年に相当)について実試料の分析を行った.地表生成のアルミニウム26とベリリウム10を分析するための試料前処理は,大変困難で手間と時間がかかるが,本年度はそれでも計10試料についての分析値が得られた.得られたアルミニウム26濃度とベリリウム10濃度及びアルミニウム26/ベリリウム10比には,全てそれぞれ深度方向への減少傾向が認められた.
コア試料の古地磁気年代を横軸にそれぞれの指標をプロットすると,アルミニウム26濃度とベリリウム10濃度及びアルミニウム26/ベリリウム10比の全てがそれぞれの半減期にほぼ従った減衰曲線を描いた.一方で,その中で最も良い減衰曲線を描く指標は,当初予測のアルミニウム26/ベリリウム10比ではなく,アルミニウム26濃度であった.またこの曲線から予想される初期量は,全ての指標において,前年度に得られたバイカル湖表層堆積物の結果より顕著に低い値を示した.こうした振る舞いの原因を解明するために,実験系の再検討や集水域から湖への物質移動の初期モデル化を試みたが,本年度は確かな原因を特定することができなかった.これらは今後の課題である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 宇宙線生成核種による年代測定2007

    • 著者名/発表者名
      堀内一穂
    • 雑誌名

      テジタルブック最新第四紀学(日本第四紀学会編) (印刷中)

  • [雑誌論文] Measurement of ^<26>Al in Antarctic ice with the MALT-AMS system at the University of Tokyo.2007

    • 著者名/発表者名
      Horiuchi, K., H.Matsuzaki, A.Ohta, Y.Shibata, H.Motoyama
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B (in press)

  • [雑誌論文] Multi-nuclides AMS performances at MALT2007

    • 著者名/発表者名
      H.Matsuzaki, C.Nakano, Y.S.Tsuchiya, 他5名
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B (in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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