研究概要 |
本研究では超小型マルチアンビル高圧装置の開発を行う.今年は1年目である.本年度は高圧プレス本体の設計と製作を行った. プレスを小型化するためには従来のプレスフレームを使う方法ではダメである.本研究では油圧ラム自体にマルチアンビル部分を内蔵するユニークな形式とした.この利点はフレームを使わないため横のサイズがラム径と同じになり,重量的にも小さくできる.最初高圧装置メーカーに概念図を示して,大まかな設計を依頼したが,費用の見積もりは普通の装置とあまり変わらないものとなった. 本研究では単に小さいだけではなく,予算的にも従来の装置よりも低コストにすることが目標である.そのためさらに設計を考え直して,安価な水圧プレスを改造する方法を考えついた.これは基本的には上記と同じ形式であるが,既存の水圧プレスと似た構造であるため予算内におさめることが出来る.そこで水圧プレスのメーカーにより詳細な設計を依頼し,製作もそこに依頼した.製作にたどり着くまで時間がかかったこともあり,実際の荷重テストなどはこれからである.このプレスは最大100ton荷重を発生できるが,重量は大人男性体重程度であり,放射光施設に持ち込んでの利用が十分可能である.また現在予算の関係で反転装置自体を付けてないが,反転が可能なサイズ・重量となっている.来年度はプレス自体のテスト,油圧制御部分の整備を行い,内部にガイドブロックを組み込んでの高圧発生を行う予定である.
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